【 『体が変化したことを感じる力、触診力』の続き 】
体を変化させることができなければ治療はできません。
しかし変化させることができるようになったら必然的に次のステップが待っています。
それは「どう変化させるのか」ということ。
正しい状態ではないから、症状は起こっているわけです。
何が正しくないのか?
どういう風に変化させれば正しくなるのか?
それを判断するために解剖学や生理学などの基礎医学を学んだのです。国家資格を取得したのです。
体を変化させることができなければ治療はできません。
目的を持った施術ができなければ治療になりません。
目的とするもの=治療の軸
私は解剖学的な問題を調整していくことで症状の改善を図ります。
解剖学が「治療の軸」です。
合わせて生理学も使います。解剖学・生理学で体のおおよそが分かります。目の前の症状がなぜ起こっているのかがイメージできます。
ただし全てが分かるわけではありませんし、分かっているつもりもありません。
もっともっと勉強しないといけないことを自覚しています。
この「何を目的に治療するのか」というのは、人それぞれでいいと思っています。
「気」が分かる人は、気の調整を目的となるでしょう。
他にも、呼吸でもいいし、思考・メンタルでもいいし、食でもいい。
私は、見えて触れることができる、学問として確立していて書物も豊富にある「解剖学」が一番腑に落ちます。
そのように心底納得できるので解剖学をベースにしています。
これは人それぞれですので、何が正解というわけではありません。
解剖学を軸とした治療の一例
脊柱の生理的湾曲というものがあります。
子どものころから学校ではイスに座って勉強して、社会にでればデスクワークという人も増えました。車の運転などもずっと座っています。
そういう人の多くは生理的湾曲が無くなっています。
生理的湾曲を回復させる目的で治療するなら、
脊柱起立筋や腰方形筋を緩めたり。
仙骨の前傾を作るために骨盤を調整するために腸腰筋を緩めたり、股関節を調整したり。
正しい姿勢の時に、仙腸関節が動くように調整したり。
脊柱の椎間関節が動くように調整したり。
そして最後に姿勢指導。
このように目的をもって体を変化させていき、症状の改善に導いていくことが治療です。
【 次は 『治療は痛み・症状ではなく「人」を診る』 】