【 『治療とは、施術によって体に変化を起こすこと』の続き 】
前回の記事では「治療とは体を変化させること」と言いました。
治りやすい状態に変化させていくのですが、ただ手技手法を施していくだけではいけません。
変化させるために行った施術で、目的どおりの変化が起こっているのかを感じ取れなければいけません。
変化を感じられなければ治療はできない
「何秒くらい押せばいいですか?」
このような質問を受けることがありますが、時間の問題ではありません。
体が変化したかどうかです。
筋肉を緩めるという目的で押圧したなら、その筋肉が緩めば離すのです。
それは患者によっても術者の技量によっても、力の加減も時間の長さは変わります。
施術の形だけを真似ても、患者の体の変化を感じられなければ症状を良くするための治療にはなりません。
私はよく「力加減が絶妙ですね」と言われます。
それは患者の体の状態に合わせて力を加減しているからです。
筋肉を押さえている指でその筋肉の緊張具合を常に感じながら、痛みに対する筋性防御が起こる手前で圧を固定します。
そして筋肉が緩むのを感じてから指を離します。
このように変化を感じることで体を変化させる、治療することができるのです。
触診するということ
触診というものがありますが、私たちの治療においては非常に重要なものです。
レントゲンなど使えませんから、手で触れて骨格の歪みなどを感じ取っていかなければなりません。
揉捏のようにグリグリと筋肉をこねくりまわすのも触診の一つと言えるでしょう。
しかし触診とはそれだけではありません。
皮膚の状態、皮下組織・筋膜・筋肉・靱帯・骨・内臓など、体表を触れることで体の組織を感じ取ることができるのです。
私たちが行う施術・治療するということは、体が変化していくことを触診するとも言えます。
施術中にはそれくらい体の変化には意識を集中させて下さい。
そして確実に良い方へ体を変化させて下さい。
【 次は 『目的を持って施術することが「治療」』 】